続ブレンハイムスポットあるいは道草俳句日記 俳句

庫内灯2

先日文フリで求めた庫内灯2。
「BL俳句誌」とのこと。

庫内灯2より

そろそろしびれてきたか桃接木  金原まさ子

短夜を同じ湯船や少し寄る  岡田一実

空蝉にどつとシャンパン注ぎたる かかり真魚

木の実降る考へすぎて汝と我  榮猿丸

アルゼンチンタンゴ共同台所  なかやまなな

くちづけのあと春泥につきとばす 松本てふこ



文章では、松本てふこさんと、北大路翼さんの対談の、平行線具合が面白かった。

BLっぽい映画を見て俳句を作ったり、既成俳句をBL読みしてみたり、
評論、対談、いろいろな方法でBL俳句にアプローチしている。
書き手は、普段からBLが好きなんだろうなぁ、という方から、テーマとして与えられたんでチャレンジしてみました、という感じの方まで。


私自身は、BLにそんなに関心はない。
大昔、私が高校生の頃、そのジャンルが好きな友人が何人もいた。
その頃はBLという言葉はまだなくて、「やおい」とか「JUNE系」とか呼んでいたと思う。
彼女等、映画を見ても小説を見ても、全てそっちに結び付けるので、当時は、実はちょっぴりうんざりしていた。
嫌悪感とかではなく、ワンパターンに感じてしまって。
それにBLは少女のものという思いもあるので、今更、とも。
その流れで、「BL読み」については、どんなものでもそう読もうと思えば読めるけど、面白いの?と疑問に思うこともある。
BLも時代を経て熟成をしているのだろうけど・・・。

と、いう私の好みは置いておいて。
ひとつのテーマで、これだけのボリューム・内容の冊子が何冊も出るエネルギーはすごいと思う。

roses.jpg

無駄に薔薇を貼ってみました。


テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

榎本慶子句集『アンネの微笑』

炎環同人、榎本慶子さんの句集です。

『アンネの微笑』榎本慶子句集(文學の森)より

手話の手の散らす日差や犬ふぐり


手話の手のうごきに目がひきつけられる。
日差しを散らすという表現の明るさ。

他に

朧夜の指で抑へしことばかな

島ごとの神へつらつら椿かな

白南風や獣の匂ひして病めり

夕焼や声待つてゐる盲導犬

くわりんの実褒められたくて嘘少し

ぬけられぬ己が水輪やあめんぼう

山眠るファイルに透けし設計図



☆☆☆

今日は台風の影響を考慮して句会が中止に。
夜になってから荒天になってきた。
朝の散歩時は平和。
近所のひつじ田。赤いのは曼珠沙華。
hitsuji.jpg


テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

LOTUS 第36号

LOTUS 第36号より

ものいわぬ木々らぐんぐん影おがる  佐々木貴子


「影おがる」という30句連作。
おがる、というのは関西の方言では「叫ぶ」を意味したりしますが
ここでは北の言葉で「育つ」のことだろうと思う。
オノマトペ多用、言葉の反復多用。「影おがる」という言葉も30句の中に何回も出てくる。
きっと一句で読むことはあまり想定されていなくて、全体を通して読むと詩のような印象。


天窓の穴に喃語の菫咲く  吉村毬子

幻想的な作風。濃厚な幻想が多い。
その中で「喃語の菫」は無垢な感じがあり惹かれた。


身支度に紛れ込みたる夕蛍  曾根毅

蛍の人懐っこさ、儚さ。


この俳誌は主張強めで、私には少し、とっつきにくかったかな・・。
tsuyu.jpg





テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

『自生地』 福田若之

『自生地』福田若之(東京四季出版)

小津夜景『フラワーズ・カンフー』、中村安伸『虎の夜食』と、最近、文章を含んだ形式の句集が話題になっている。この『自生地』も散文と句から構成されている。しかし、これらのどの本も、成り立ちから、読者に与える印象まで、まるで違っているから、ひと括りにしてはいけない。

福田若之の句風は、自然体からは遠い。『自生地』の散文にはリアリティのある記述が多いが、現実のことかどうか私にはわからない。けれど一冊を通して、自然な一人の青年の姿が浮かびあがってくる。彼を、昔からよく知っているような気になる。
句を抜きながら読むような句集でもないけれど、二回目は付箋を貼りながら読んでみた。
でも、一句抜き出すより連作で読んだほうがいいし、連作より一冊丸ごと読んだほうがいいです。

逃げてゆくばったについたはずの指紋

シャボン玉ふたつもあれば映りあう

原稿の一マスに身をおさめる蛾

ふきのとうロボットにうまれなかった

かまきりの足がまた稼動しだした

紙媒体に鯰を置いてしまったよ

初夢を満たす知らない顔の群れ

日々を或る小岱シオンの忌と思う





テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

句集『花朝』 鈴木太郎

句集『花朝』 鈴木太郎(本阿弥書店) より

耳吹かれ鼻吹かれては袋角


繁殖期の雄が他の雄を追い払うのに、息を吐きかけるようなので、そのことと思って読んだ。
違ったりして。(風に吹かれるとか?)
くすぐったい感じのする句。

他に

ふりむいて少女黄菊にむせにけり

夏の月肩まで猫を上らせて

自然薯を掘る目印に鳥の羽

相似たる顔もて蹴鞠始かな

初夢の力あまりて山を蹴る

亡きものに手のひら見せて盆踊

海霧に濡れ藪を出てくる猿の顔



鈴木太郎さんは、「雲取」主宰。



テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

由季

Author:由季
大阪泉州在住 
2014年に『犬の眉』という句集を出しました。
キャバリアKCスパニエルのくりまる(2004年12月18日生)の世話係です。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
メールはこちら

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク