『のほほんと』 野口裕句集
『のほほんと』野口裕句集(まろうど社) より
重機また人の末裔黄砂降る
春雨がぶっきら棒に水を突く
鳥帰る何かの予行だとしても
まず手を見次に爪を見試験果つ
ガラパゴス携帯電話初電話
山ひとつ片付いた夜のつつじかな
コンビニのうしろ無人と振り返る
マンホールの蓋持ち上がる星月夜
擦れ違うダンプまくなぎ連れ去りぬ
五七五たまに七七春麦酒
負にならぬカウントダウン去年今年
空蝉に蝉が入ってゆくところ
著者の野口裕さんとは、一時句座を共にしていたことがある。
その時の印象だと、作品も、句の読み方も、独特のスタンスがあり、まず普通っぽいことは言わない。
句会で、たまに自分の句を野口さんに取ってもらうと、嬉しかったが、どういう句が取ってもらえるかの傾向は、全くつかめなかった。
そのスタンスは、この句集をにも通じていると思う。けれどそれを言葉で表そうとすると難しい。
私が好きだと思った句に関して言えば、すこしブラックなユーモアと、どこかSF的な味わいがあるように思う。
重機また人の末裔黄砂降る
春雨がぶっきら棒に水を突く
鳥帰る何かの予行だとしても
まず手を見次に爪を見試験果つ
ガラパゴス携帯電話初電話
山ひとつ片付いた夜のつつじかな
コンビニのうしろ無人と振り返る
マンホールの蓋持ち上がる星月夜
擦れ違うダンプまくなぎ連れ去りぬ
五七五たまに七七春麦酒
負にならぬカウントダウン去年今年
空蝉に蝉が入ってゆくところ
著者の野口裕さんとは、一時句座を共にしていたことがある。
その時の印象だと、作品も、句の読み方も、独特のスタンスがあり、まず普通っぽいことは言わない。
句会で、たまに自分の句を野口さんに取ってもらうと、嬉しかったが、どういう句が取ってもらえるかの傾向は、全くつかめなかった。
そのスタンスは、この句集をにも通じていると思う。けれどそれを言葉で表そうとすると難しい。
私が好きだと思った句に関して言えば、すこしブラックなユーモアと、どこかSF的な味わいがあるように思う。
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