続ブレンハイムスポットあるいは道草俳句日記 句集『片翅』 高野ムツオ

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句集『片翅』 高野ムツオ

句集『片翅』高野ムツオ(邑書林) より

梅雨雀胸を反らせば見えるもの
底紅の底は少年には見えぬ
雨のどこかに蜻蛉蜉蝣蝶の息
活火山百を並べて草石蚕喰う
瓦礫より人形歩き来る寒夜
首のない水仙恋を語り出す
冬眠のままの死もあり漣す
飛ぶならば夜の代田をすれすれに
死後伸びるものに髪・爪・雲の峰
数え日の陽差しが墓の中にまで
月光を吸って枯蘆月光化
地震の話いつしか桃が咲く話
一息ですべてを吸えと夏霞
見えぬ壁ありて初蝶上りゆく



作者の前句集『萬の翅』は、東北の震災を詠んだ句集として高く評価されたと認識している。
が、実際は平成14年から24年までの作品が経年順に収められていて、震災後の句は一部分。
生々しい震災の表現の句もあるが、その前後でがらりと作品が変わったというような印象は無い。
今回の『片翅』は、平成24年から28年の句が、やはり経年順に収められている。
表題は 福島は蝶の片翅霜の夜 という句からか。
前句集よりも震災を詠むという意識は強くなっているのかもしれない。



テーマ : 俳句
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

由季

Author:由季
大阪泉州在住 
2014年に『犬の眉』という句集を出しました。
キャバリアKCスパニエルのくりまる(2004年12月18日生)の世話係です。

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